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黒鉛電極の基礎と周辺業界について

黒鉛電極は、その名前の通り、電極の一種です。

炭素電極と呼ばれることもあります。

スクラップ鉄を溶かして、純度の高い鉄(いわゆる"鋼")を生産するために重要となる部材です。

 

この記事では、そんな炭素電極について、迫りたいと思います。

 

黒鉛電極に関心を持った経緯

先日、シリコンウェーハに関する記事を書きました。

rhplus.hatenablog.com

 

先の記事でも書いたとおり、シリコンウェーハの原料である珪石から金属ケイ素を取り出す過程で、炭素電極を用いたアーク炉を使用します。

では、そもそもこの炭素電極はどの企業が製造しているのでしょうか?

そこから発展して、調べてみたのが発端です。

 

しかし、炭素電極の応用先が、金属ケイ素ではなく鉄を作るためのものであるという文献しか見つかりませんでした。

同じ炭素電極ではあっても異なる種類のものかもしれません。

 

詳しい方が居れば、教えていただけると嬉しいです。

 

では、本題に入りたいと思います。

 

なぜ黒鉛電極が重要か?

スクラップ鉄から、再利用できる鉄をつくるには、スクラップ鉄を溶かす必要があります。

鉄の融点は1538℃であり、このような高温環境を作るために、電気炉内でアーク放電を行います。

アーク放電において発生する熱により、高温環境が生まれて鉄が溶けるようになります。

 

しかし、スクラップ鉄には不純物が多く混じっており、溶かすだけでは純度の高い鉄を得ることはできません

そこで使われる手法が電気分解であり、このとき本記事の主題である黒鉛電極を使用します。

 

黒鉛は電気伝導度が高いため、大電流を流して鉄を溶かすのに適しています。

更に、耐熱性に優れているため、先に述べたような高温下に耐えうる材料です。

また、衝撃にも強いため、欠けたり折れたりすることで鉄に混ざってしまうリスクを抑えられます。

 

このような特徴を持つことから、黒鉛電極が鉄の精錬において重要なのです。

 

国内の黒鉛電極とその周辺のメーカー

2017年現在、世界の黒鉛電極業界において、日本企業が約5割のシェアを占めています。

その筆頭であり、世界シェアNo.1となっているのが、昭和電工(4004)です。

世界シェアは32%となっています。

それに続くのが、東海カーボン(5301)、SECカーボン(5304)、日本カーボン(5302)です。

http://www.cmicorporation.com/news/files/CMI_20181017-1-jp.pdf

 

これらの黒鉛電極メーカーは、その主原料であるニードルコークスを仕入れます。

その仕入先としては、三菱ケミカルHD(4188)や、JXTGHD(5020)傘下のJXTGエネルギーなどがあります。

 

また、黒鉛電極メーカーは、製造した黒鉛電極を鉄鋼メーカーに納入します。

その納入先としては、東京製鐵(5423)、JFEスチール(5403)傘下のJFE条鋼などがあります。

 

 

今回の記事では、製鋼に重要な部材の一つである、黒鉛電極について紹介しました。

黒鉛電極一つをとっても、多くの企業との関わりがあることが分かります。

 

 

今回紹介した企業